Web制作会社の始め方:ニッチ、料金設定、顧客獲得
Web制作会社を始めるには、確実に対応できるニッチを選び、固定のスコープと料金でサービスを組み立て、小さくてもポートフォリオを用意し、人脈、紹介、パートナーから最初の顧客を獲得します。そのうえで、契約、前金、修正回数の上限、引き渡しといった進め方を決めておくと、プロジェクトを期限内に終え、想定どおりの報酬を受け取りやすくなります。
開業のコストは小さく、必要なのはパソコン、ソフトウェア、そしてスキルくらいです。難しいのは、顧客を見つけること、料金を適切に設定すること、そして見積もった範囲を超えてプロジェクトが膨らむのを防ぐことです。
事業で何を提供するかを決める
「ウェブサイトを作ります」というのは、競合の多い訴求です。顧客は、自分の状況を理解してくれる会社を選びます。次のいずれか、または複数の方法で絞り込みましょう。
- 業種別:歯科医院、飲食店、職人、法律事務所、非営利団体など。顧客の業界の知識を身につけ、それを繰り返し活かせます。
- 成果別:予約の問い合わせを増やすサイト、オンラインストア、見込み客の獲得など。
- プラットフォーム別:よく知っている特定のビルダーやCMS。
- サービス別:デザインのみ、デザインと制作、制作と継続的な運用保守など。
ニッチに絞っても、ほかの仕事を断る必要はありません。ただし、マーケティングがしやすくなります。ポートフォリオとメッセージが一種類の顧客に向けたものになるためです。地域の小規模事業向けウェブサイトガイドでは、典型的な地域ビジネスのサイトに必要なものを解説しています。
サービスをパッケージ化し、料金を設定する
パッケージにすると販売が簡単になり、際限のない作業範囲の拡大からも身を守れます。よくある構成は次のとおりです。
| パッケージ | 含まれる内容 | 向いている顧客 |
|---|---|---|
| スターターサイト | 数ページ、テンプレートベースのデザイン、問い合わせフォーム、基本的なSEO設定 | 新規開業や小規模な地域ビジネス |
| カスタムサイト | 独自デザイン、ページの追加、コピーライティング支援、外部サービス連携 | 具体的なニーズがある既存の事業者 |
| ストアまたはアプリ | 商品や予約、決済、顧客アカウント | オンラインで販売する事業者 |
| 保守プラン(月額) | ホスティング、更新、バックアップ、小さな修正、サポート | 公開後のすべての顧客 |
料金を設定するには、打ち合わせ、現地確認、修正対応、コンテンツの回収、公開作業まで含めて、典型的な案件に実際にかかる時間を記録します。その時間に、税金、ソフトウェア、営業にかかる無償の時間、閑散期をカバーできる時間単価を掛けましょう。最安の競合の価格ではなく、そこから算出した価格でパッケージを設定してください。
保守プランは重要です。プロジェクトの収入は波があるため、月額プランで収入を平準化でき、将来追加の仕事が必要になる顧客とも関係を続けられます。
顧客がつく前にポートフォリオを作る
仕事ができることを示す実績が必要です。次の方法があります。
- リデザインのコンセプト:ニッチに合う実在の企業向けに作り、コンセプトであることを明記します。
- 割引した案件:地域の企業や非営利団体の案件を割引価格で引き受ける代わりに、推薦文と掲載の許可をもらいます。
- 自分のサイト:最も多く見られるポートフォリオになります。
それぞれの案件では、スクリーンショットだけでなく、課題、取り組んだ内容、その理由を示しましょう。ポートフォリオサイトの作り方で構成を解説しています。
事業の基本を整える
- 届出と事業形態:個人事業か法人かなど、地域のルールを確認し、必要な届出を把握します。
- 契約:案件ごとに書面で契約します。スコープ、スケジュール、支払い条件、修正の回数、成果物の権利、顧客が連絡に応じない場合の対応などを定めます。ひな形は専門家にチェックしてもらいましょう。
- 保険:専門職業人向けの賠償責任保険などを検討する価値があります。
- ツール:デザイン、制作、プロジェクト管理、請求、パスワード共有、顧客ファイルの保存場所。
- 経理:開業当初から事業用の口座を分けて管理し、税金については会計士に相談しましょう。
最初の顧客を見つける
- 人脈:自分が何をしていて、誰のために仕事をしているかを伝えましょう。事業を経営している元同僚や友人が、最初の顧客や紹介者になることがよくあります。
- 地域の企業:古くなったサイトや表示速度の遅いサイト、またはそもそもサイトがない企業を探しましょう。「スマホで表示が崩れていて、予約リンクも切れています」のように具体的に伝えると、一般的な営業よりも響きます。
- パートナー:マーケター、コピーライター、写真家、税理士、ビジネスコーチなどは、ウェブサイトを必要としている人と日常的に出会っています。
- ニッチのコミュニティ:買い手が集まる業界団体やイベント。
- コンテンツ:ニッチの企業が抱えるウェブサイトの課題について、短く役立つ投稿をしましょう。
満足した顧客には、プロジェクト終了時に紹介と推薦文をお願いしましょう。そのタイミングが最も喜んでもらえているときです。
スコープの膨張を防いでプロジェクトを運営する
次のシンプルな流れを守ると、プロジェクトの利益を確保しやすくなります。
- ヒアリング:目標、想定する読者、ページ構成、コンテンツ、締め切り、予算を確認します。
- 提案:スコープ、料金、スケジュール、対象外の内容を明記します。
- 契約と前金:双方の合意と前金が揃うまで作業を始めません。
- コンテンツの準備:テキストや画像の不足が遅延の最大の原因です。締め切りを設定しましょう。
- デザイン、そして制作:各段階で修正の回数を決めておきます。
- 公開前チェックリスト:スマホ表示、フォームの動作確認、表示速度、ドメイン、アクセス解析、リダイレクトを確認します。
- 引き渡し:ログイン情報、簡単な操作ガイド、保守プランの提案を行います。
合意したスコープ外の作業は、別途料金のかかる変更依頼として扱いましょう。契約の最初から明記しておけば、顧客も受け入れやすくなります。
進捗を確認でき、コンテンツをアップロードし、デザインを承認できるクライアントポータルがあると、メールでの催促が減ります。
AIが仕事をどう変えるか
AIウェブサイトビルダーやコーディングツールによって、小規模な制作会社も素早く納品できるようになりました。一方で、顧客が自分で基本的なサイトを作れるようにもなりました。そのため、価値の置き場所が変わります。
- 価値が下がる部分:定型的なページを手作業で作ること。
- 価値が上がる部分:顧客の事業を理解すること、わかりやすいコピーを書くこと、訪問者が行動したくなる構成にすること、SEO、顧客が既に使っているツールとの連携、そして信頼できる継続的な保守。
AIツールで制作時間を減らし、その時間を、顧客がなかなか自分ではできない部分に使いましょう。AIが作ったものは必ず確認してください。品質、アクセシビリティ、そしてサイトに書かれている内容には、あなたが責任を持つことになります。
保守プランと継続的な仕事
制作会社が安定するのは、公開後の仕事がきっかけになることが多いです。顧客は、サイトの更新方法、ドメインの更新、バックアップからの復元などを覚えたくないものです。そこで、次の内容を含む月額プランを提供しましょう。
- ホスティング、ドメイン、SSL証明書の更新。顧客のアカウントで管理するか、代行して管理します。
- 定期的なバックアップと更新。問題が起きた場合に元に戻せる手段も用意します。
- 月ごとの小さな修正の回数。
- 稼働状況の監視と、問題が起きた際の対応時間。
- 月次または四半期ごとの、変更点と次に提案することを簡単にまとめたメモ。
プランに含まれないものも明確にしておきましょう。新しいページ、リデザイン、新機能は別のプロジェクトです。可能な限り、ドメインやホスティングは顧客の名義にして、あなたを権限のあるユーザーとして登録します。こうすると引き渡しがスムーズになり、信頼も築けます。
よくある失敗
- ニッチがない:マーケティングが誰にも響きません。
- 上限のない時間単価制:顧客に嫌われるうえ、作業を早く終わらせるほど損をします。
- 前金や契約なしで始める。
- 修正回数が無制限。
- コンテンツの到着を締め切りなしで待つ:プロジェクトが何か月も中途半端なままになります。
- 継続収入がない:毎月ゼロからのスタートになります。
- 個人のアカウントで顧客サイトをホスティングし、引き渡しの計画がない。
Mythexの位置づけ
MythexはAIアプリビルダーです。平易な言葉でサイトやアプリを説明すると、コードを書き、ライブプレビューを表示し、公開用のリンクに公開してくれます。制作会社は、最初の下書きを素早く作ったり、単なるパンフレット型サイトを超えた案件を引き受けたりするのに活用できます。例としては、クライアントポータル、自社用の請求管理アプリ、新しい制作会社のウェブサイトなどがあります。ユーザー数は無制限で、座席ごとの料金もかかりません。Proプランでは独自ドメイン、フルのコードエディター、コードのエクスポートやGitHub同期が使えるため、顧客にコードを引き渡すこともできます。AIでウェブサイトを作る方法と独自ドメインの接続方法もご覧ください。
よくある質問
Web制作会社を始めるにはコーディングができる必要がありますか?
必ずしも必要ではありません。多くの制作会社は、ウェブサイトビルダー、テンプレート、AIツールを使って制作しています。クライアントが対価を払うのは、事業にとって機能するサイトです。分かりやすいメッセージ、良いデザイン、表示速度、信頼できるサポートなどが重要になります。ツールだけでは対応できない案件では、コードの知識が役立ちます。
Web制作会社はどのように料金を設定すればよいですか?
多くの会社は、スコープを明確にした固定のパッケージで案件ごとに料金を設定し、ホスティング、更新、サポートの月額料金を別に設けています。競合のまねをするのではなく、典型的な案件に実際にかかる時間(打ち合わせや修正対応を含む)から料金を算出しましょう。
新しいWeb制作会社はどのように顧客を見つけますか?
多くは既存の人脈、紹介、地域の企業、マーケターやコピーライターとの提携から始めます。また、特定の業界に絞って、ポートフォリオがその業界の顧客に直接響くようにすることも効果的です。実在する企業の無償の仕事を引き受けると、最初の事例になることがあります。
AIウェブサイトビルダーはWeb制作会社の仕事を奪いますか?
仕事の内容が変わります。企業は基本的なサイトを自分で作れるようになったため、ページを作るだけの会社は価格競争になりがちです。一方で、クライアントの事業を理解し、コピーを書き、SEO、外部サービスとの連携、継続的な更新までこなし、AIツールで効率よく納品できる会社には、まだ十分な価値があります。